ところで、“キルギスって、何 ?” 殆どの日本人は怪訝な顔をする。
キルギス国を地図で表示しよう(クリックで画像を拡大)。
近年のキルギスの人口は 2010年の548万人から2020年には660万人と10年で20%も増加している。
キルギスの若年層は、20 歳未満が40%、30 歳未満では58%と、平均年齢が何と27歳歳)である。
大学は52校〔国立31校,私立21校〕、専門学校は230校もある。
実質GDP成長率は4.5%前後で、物価上昇率は1.1%で、失業率は、6.6%である。
経済は、ロシアへの約80万人の出稼ぎ労働者からの送金に大きく依存している。
人口の60%以上が農村部に居住しているが、大多数が小規模農家(デフカン)であり、栽培から販売まで個別に行っているので、未だ農業の組織化率は僅か1%に過ぎない。そのため、国内消費小麦の約40%を隣りのカザフスタンやロシアから輸入している状況である。
まずは農業セクターでの雇用の創出がこの国の喫緊の課題であり、当NPO法人が小麦農業を通して、6次産業化を図り、キルギス国を敢えて“リトル・ジャパン”にという意図がここにある。
上図で見るように、キルギス国は、7,000m級の天山山脈に阻まれ天山北路と南路に分岐され、その狭間の緩衝地域に在るため、中国の一帯一路(BRI/OBOR)のルートから外れた位置にある。
その昔、玄奘三蔵も天山山脈に阻まれたキルギス主要地域を避け、大きく遠回りして往復している。
キルギス地域には砂漠地帯はなく、アラブの隊商もこの地域は避けた。
かつて、マルコ・ポーロも天山山脈に阻まれ遠回りとなる天山南路を通って元の都大都に至っている。
現在も中国の一帯一路上に位置しながらもキルギスの中央部は通れない。
隣接したウイグル自治区も天山山脈に遮られて往来が実勢的に不可能である。
この様に、キルギス中央部は、地政学的に有史以来、言わば未開のニッチな地域といえるのだ。