水は命の源だと、安全な水ビジネスを提供している2002年設立の日本ポリグル(株)小田兼利社長(1941年熊本県生れ。大阪大卒)がいる。
小田社長が開発した白い粉、水質浄化剤(PGα21Ca)は、僅か1グラムで10リットルの水を浄化する性能を持つ。
このわずか2行の記述が、小田会長の技術屋魂に火をつけた。数年間の試行錯誤を経て開発した水質浄化剤は過去最高の自信作となったのである。
これは「納豆のネバネバ成分・ポリグルタミン酸に水を浄化する性質がある」というある論文からの一節からヒントを得て独自で開発したものだ。
世界40カ国で販売され、水を浄化するタンクがバングラデシュ、タンザニア、ソマリア、エチオピア、ブラジルなどに設置され、約280万人の人々がポリグルの水を飲んでいる。
日本から持ち込むのは浄化剤のみ。その浄化剤も水1,000リットルあたり約1ドルという安さで、きれいな水を永続的に供給するビジネスが成立する。
ビーカーの泥水に少量の白い粉を入れ、かき混ぜる。
すると、数分で汚れが集まって固まりはじめ、水が透明に!
汚れが沈殿したら脱脂綿で濾して取り除き、きれいな水が完成。最後に必ず小田会長はこの水を飲んで見せる。
BOPビジネスのトップリーダーとして安倍首相が演説で取り上げ、CNNやBBCが番組で放送し、それを見た世界中の人から小田会長にメールが届く。
アフリカでは2回強盗に遭い、口の中へ拳銃を突っ込まれたこともあったそうだ。
更に、エコバイオ・ブロック(EcoBio-Block)は、納豆菌を利用した水質浄化システムだ。水に入れると封入された納豆菌群が増殖し、悪臭や水の汚れを除去する。
手ごろな価格で市場に出ている。
納豆菌とセメントを混ぜてブロック化したものだ。ベトナムでも使われている。
なお、空気から水を作るという夢の様な特異なウオーター・サーバーがエアリスなど数社から市場に出ているが・・。サーバー代が高価だ。今後の市場性には注目はしていたい。
更に、海水を真水にかえる海水淡水化もある;
東大の相田卓三教授らの研究チームは、フッ素原子が密に結合した大環状化合物を超分子重合により配列。これにより、内径0.9ナノメートルの「フッ素化ナノチューブ」を得た。この「フッ素化ナノチューブ」は、フッ素の電気的特性によりマイナスの電気を帯びているが、海水中の塩分(塩化物イオン)もマイナスの電気を帯びているため、フッ素と反発し合い、塩分はチューブを透過できない。そのため水のみを透過させることが可能となり、海水を淡水化できるという。